障害年金とIQ
1 IQと障害年金における知的障害
IQとは知能指数のことであり、記憶力や推理力、判断力など幅広い分野の能力を総合的に評価したものです。
知能検査によりIQを算出し、平均が100とされています。
これに対し、障害年金にも知的機能が関連するものとして、「知的障害」があります。
知的障害とは精神の障害の一つであり、知的機能の障害がおおむね18歳までの発達期にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものを指します。
2 知的障害の認定基準とIQとの関係
⑴ 知的障害の認定基準
障害年金における知的障害の認定基準は、1級は、「知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの」、2級は、「知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの」、3級は、「知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの」とされています。
このように、知的障害の等級認定に当たっては、IQのみに着目するのでなく、日常生活の様々な場面における援助の必要度も勘案して総合的に判断されます。
⑵ 知的障害の程度
知的障害の程度には、軽度(おおむねIQが50~70)、中度(おおむねIQが35~50)、重度(おおむねIQが20~35)、最重度(おおむねIQが20以下)があります。
重度、最重度のように程度が重いものであるほど、障害年金では1級の認定に有利に働く事情になりますが、必ずしも1級の認定がなされるとは限らず、等級と知的障害の程度とは必ずしも相関するものではありません。
知的障害の程度が軽度や中程度であったとしても、日常生活場面における援助の必要度によっては1級や2級の障害認定がなされることもあるので、日常生活の状況が適切に反映された診断書を提出することが大切です。
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