複数の傷病がある場合の障害年金
1 複数の傷病がある場合の障害年金の認定方法
複数の傷病がある場合に、それらをあわせてどのように障害等級を認定するのか、問題になることがあります。
このような場合の認定方法として、①併合(加重)認定、②総合認定、及び、③差引認定の3つがありますので、順にご説明します。
2 併合(加重)認定
⑴ 併合(加重)認定について
併合(加重)認定は、①個々の障害について、「併合判定参考表」(下記参考リンク先の障害認定基準「第2章 併合等認定基準」PDFのP116~P125)における該当番号を求める、②番号に基づき「併合(加重)認定表」(同P126)による併合番号を求める、③併合番号に基づいて障害の程度を認定する、といった手順で認定する手法です。
参考リンク:日本年金機構・国民年金・厚生年金保険 障害認定基準
⑵ 例
右手の障害と両眼の障害がある方を例に考えてみます。
右手の障害の程度が、「右手の親指及びひとさし指を併せ一上肢の4指の用を廃したもの」とした場合、併合判定参考表によると、「3級7号」に該当します。
また、両眼の障害の程度が、「視力の良い方の眼の視力が0.1以下のもの」とした場合、併合判定参考表によると、「3級6号」に該当します。
個々の障害について併合判定参考表における番号が確認できたので、次に、併合(加重)認定表を確認します。
併合(加重)認定表では、「3級7号」と「3級6号」とが交わる箇所は併合番号「4号」とされています。
併合番号4号の場合には障害の程度を「2級」であるため、この事例では障害等級2級が認定されることになります。
3 総合認定
総合認定とは、内科的疾患が併存している場合、または精神障害が2つ以上ある場合に、上記2の併合(加重)認定の取り扱いをせずに、総合的に判断して等級を認定する手法です。
内科的疾患とは、呼吸器疾患による障害、心疾患による障害、腎疾患による障害など、障害認定基準第10節から第18節の疾患を指します。
総合認定では、併合(加重)認定と異なり、どのような場合に上位の等級になるのか明らかにされておらず、不透明感は否めません。
4 差引認定
前発障害と同一の部位に後発の障害が生じた場合、2つの障害が混ざってしまい、一見前発障害と後発障害がそれぞれどこに現れているか区別できません。
差引認定とは、そのような状態で後発障害の等級を認定する必要がある場合に、現在の障害状態の活動能力減退率から前発障害のそれを差し引いた残りの活動能力減退率(差引残存率といいます。)に応じて、「差引結果認定表」(同P127)により等障害等級を認定する手法です。
例えば、差引残存率が42%~69%の範囲内であれば、後発障害の程度について3級14号の認定がなされます。
なお、「はじめて2級」のケースでは、前発障害と後発障害を合わせた等級を認定することから、差引認定は適用しないものとされています。
























